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有害反応
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ゆうがいはんのう

Adverse reaction

定義
(1) 正しいプロセスに従って適切な行動によって実施されたにもかかわらず患者に発生した予期せぬ害
(WHO, 2020).
(2) (市販後の)医薬品による反応の中で,通常用いられる用量で起こる好ましくない反応 1,2)
(3) 臨床使用の承認前の新規医薬品の使用中に発生した,医薬品の使用と関連して生じたあらゆる有害
事象や予期しない反応(adverse drug reaction) 2).日本語では副作用という用語に訳されている
解説
(1) 有害事象の説明で述べたように,adverse event は回避可能なできごとと定義し,それに対して,
adverse reaction は,non-preventable(回避不可能な)できごとと定義する考え方がある.例えば,術
後の静脈血栓塞栓症を予防するための標準的予防策を講じていたにも関わらず,致死的な肺血栓症を発
症した場合には,有害反応として,回避不可能であったと位置付けることができる.しかし,このよう
な事例も学習の対象であると捉え,よりよい再発防止策を検討し,予防策を改訂するということもでき
る.ただし,対策を変更しても,有害事象をゼロにすることはできず,また,新たな対策が別のリスク
を生む場合もある.このようにどの立場をとるかという違いによって,回避可能であったか不可能であ
ったかという判断も異なると思われる.
(2) 医薬品を添付文書の通りに使用したとしても副作用が生じることがあり,これを有害反応という.
この考えは,(1)の有害なインシデントを有害事象と有害反応に区別する考え方にも通じる.一方で,承
認前の医薬品については,どのような有害事象が発生するかわかっていないために,投与後に生じたあ
らゆる有害事象を収集する.後に,因果関係の有無が判明するかもしれないが,その時点では,医薬品
との関連は不明であるためである.これも有害なインシデントの考えに通じる部分があり,全ての有害
なインシデントは,回避可能かどうかは発生時には不明なため,報国寺には有害反応として区別せずに
全て有害事象としておくという考えも合理的である.
参考文献
1) 日本薬学会.薬学用語解説.
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E5%89%AF%E4%BD%9C%E7%94%A8
2) Guideline for good clinical practice E6(R2). (2016) [アクセス日 2023.05.07]
https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/ich-guideline-good-clinicalpractice-e6r2-step-5_en.pdf[アクセス日 2023.05.07

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