こんぽんげんいんぶんせき
Root cause analysis
定義
インシデントをもたらした根本的な原因が解明されるまで,なぜなぜ分析を進めることにより,インシデントが生じた際の一連の事象を再構成し,インシデントの発生に寄与した要因を特定する体系的な反復プロセス(WHO, 2020)
解説
発生した問題から遡って問題の原因を特定し再発防止対策を導くプロセスの総称である.事故にはそれをもたらした原因があり,その原因を特定し除去すれば事故は再発しないと仮定し,事故を基点にその原因を探索し,取るべき対策を導く.探索手法としては,連関図法(なぜなぜ分析)が代表的である.なお,これらの手法の基礎となった米国退役軍人病院(Veterans Affairs: VA)の提案する一連のプロセス(VA-RCA)を指す場合もある.本来の根本原因は複数あるとされるが,根本原因はひとつしかないという誤解を与えることも多く,過誤の特定や非難のレベルにとどまるという指摘もある 1).インシデントの背景を広く分析するという意味で,システム分析という体系化された手法も開発されている 1).
参考文献
1) Fujisawa Y, et al(訳), Taylor-Adams S, et al (著). 臨床上のインデントに関するシステム分析 ロ
ンドン・プロトコル
https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/medicine/surgerycancer/pstrc/londonprotocoljapanesetranslationver21111011.pdf[アクセス日 2023.05.07]