記念講演会
医療安全の現状と課題
日本政府では近年、医療安全(医科と看護)、歯科医療安全、医薬品安全および医療機器安全に関する専門職制度を全国的に導入し、これらによる医療安全文化の促進を進めております。その結果、日本医療界では世界に類を見ない速度で医療安全文化のインフラ整備が進行し、膨大な数の安全実務担当者集団が形成されました。
また医療の現場は患者を取り巻き、様々な職種の専門集団によるチーム医療が不可欠です。したがって、医療機関での安全文化の向上はある職種だけ行うだけでは非現実的で、高い有効性を期待できません。チーム医療という現場で安全文化を向上するには、多職種間の協同による医療安全の向上が不可欠と考えます。
以上の近年の日本における医療環境の劇的な変化の下で、日本の医療現場では多様な安全分野の実務担当者が中心となって運営を行う実務型学会が必要な発展段階に至りました。
これらの要望に応えるために、この度、日本医療安全学会が設立されるに至りました。
この度、本学会の中核となる理事・評議員の先生方々によって今回の講演会が行われ、それぞれの専門の立場から本会に対する今後の取り組みも紹介されます。
2013年5月
日本医療安全学会(JPSCS) 理事長
国際医療リスクマネージメント学会 (IARMM) 会長・理事長
酒井 亮二
主催者一同
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